防災に関してよくお問い合わせのある事項をまとめました。
日常の備えにお役立てください。
【備え】
特別なものを新しく買い揃える必要はありません。まずは普段買っている食べ物や飲み物(水)などを少し多めにストックすることから始めましょう。いつも冷蔵庫が一杯になっていれば、4〜5日分の食料になります。日持ちの良いレトルト食品やインスタント麺、缶詰、ミネラルウォーターなども多めにあると安心です。今は3〜5年持つ非常食も、バラエティーに富んだ美味しいものが色々あります。是非食べてみてください。(参考:農林水産省 家庭備蓄ポータル )
なるべくご家庭にあるものを活用し、自分に合った持ち出し袋を用意しておきましょう。両手が空くリュックタイプとし、重さとリュックの容量の目安は成人男性で15kg(40L以上)、成人女性で10kg(20-30L)までです。
中身は次のリストから、必要なものを選んで用意しましょう。
[貴重品など]
□ 現金(小銭を含む)公衆電話用に10円玉、100円玉 | □ 車や家の予備鍵 | □ 銀行の口座番号・保険契約番号など |
□ 健康保険証 | □ 身分証明書 | □ 印鑑 |
[情報収集用品]
□ 携帯電話と充電器、予備バッテリー | □ 携帯ラジオ | □ 家族の写真(はぐれた時の確認用) |
□ 緊急時の家族、親戚、知人の連絡先 | □ 広域避難地図 | □ 筆記用具(ペンとメモ帳) |
[食料]
□ 非常食(1日分) | □ 飲料水(1L) |
[身を守る・身に着けるもの]
□ 防災ずきんかヘルメット | □ 雨具 | □ 軍手か皮手袋 |
□ 笛やブザー(音で居場所を知らせる) | □ 使い捨てカイロ | □ スリッパ(上履き) |
□ 懐中電灯 |
[清潔・健康のためのもの]
□ 簡易トイレ(5回分) | □ 常備薬・処方薬(1週間分) | □ おくすり手帳(処方薬の袋など) |
□ 母子健康手帳 | □ 予備の眼鏡/老眼鏡 | □ マスク |
□ タオル、手ぬぐい | □ トイレットペーパー(芯を抜く) | □ 着替え |
□ ウエットティッシュ/身体拭きシート | □ ドライシャンプー | □ 歯磨きシート、歯磨きセット |
□ ばんそうこう、傷パッドなど |
[あると便利なもの]
□ 万能ナイフ | □ ビニール袋(レジ袋) | □ アルミ製保温シート |
□ レジャーシート | □ ラップ | □ ガムテープ(芯を抜く) |
□ 耳栓 | □ アイマスク | □ 割り箸 |
[女性用品]
□ 生理用品 | □ おりものシート | □ 化粧品 |
□ 鏡 | □ ブラシ |
[高齢者用品]
□ 紙おむつ | □ 杖などの予備 | □ 予備の老眼鏡 |
□ 処方薬 |
[赤ちゃん用品]
□ 粉ミルク | □ 哺乳瓶 | □ スプーン |
□ 紙コップ | □ 離乳食 | □ 洗浄綿 |
□ ガーゼ | □ 紙おむつ | □ 玩具 |
築45年ということは、1981年に施行された改正建築基準法以前の建物になります。このような建物であっても、建て替えずに耐震補強工事をすれば安全に住み続けることができる場合もあります。地域によっては家屋の耐震診断や耐震補強工事の助成制度を利用して改修費用を抑えることもできます。改修が難しい場合は、できれば屋根を軽くし、2階を生活の場にし、家具の固定をしっかりと行いましょう。地震が起きた場合はいち早く屋外避難することです。そのためには非常持ち出し品の用意をしておきましょう。
地震の揺れの伝わり方は、震源や地層の構造により違います。東日本大震災で揺れなかったとしても他の地震で大きく揺れる恐れがあります。直下型地震はどこにでも起きる可能性があります。また、近年は激しい気象災害が起こりやすくなっていますので、やはり備えは必要です。広域災害で物流がストップすることも考え、数日分の備蓄をしておきましょう。
災害により電気、水道、ガス、通信といったライフラインがストップする恐れがあります。近年の災害ではマンションでエレベーターやトイレが長期間使えなくなったことがありました。食料や水の他、簡易トイレやLEDのランタン、カセットコンロのボンベなども多めに用意しておけば安心です。
【防災訓練】
防災訓練に積極的に参加してもらうためには、普段から地域でコミュニケーションを深め、顔の見える関係を作っておくことがが重要です。住民間のコミュニケーションがないと、折角の訓練も形だけのものになってしまいます。その上で、訓練がマンネリ化しないよう、毎回テーマを決めて行い、訓練は住民参加の要素を組み込みましょう。また、訓練の告知では訓練によって実際に上がった成果を具体的に示し(誰がどのようなスキルを身につけたかなど)、訓練の効果をアピールすると良いでしょう。更に、町内会のお祭りなど人が多く集まる行事の時に防災訓練を行う、訓練に防災食試食体験を含める、防災グッズを配布するといった手法により住民の参加意欲を向上させることも期待できるでしょう。
【助け合い】
町内にお年寄りが多いということは、知恵の宝庫でもあるとも言えます。頼りになる人は沢山いる筈です。町内の自主防災組織の活動に加わったり、協力するグループを作るのも一つの方法です。地震が起きたらどうやって安否確認をし、助け合って避難できるか、どんな支援が必要か、町内で話し合って計画し、訓練をしておけばいざという時に役立ちます。
普段から顔の見えるお付き合いができると良いですね。あまりにプライバシーに立ち入ることはできませんが、わかる範囲で持病の有無や家族関係など把握しておくと良いでしょう。災害発生時には無事かどうか確認し、台風や水害で避難が必要な時は、早めに声をかけて一緒に避難しましょう。普段から、いざというときはどうするか相談しておけると良いでしょう。
【避難行動】
警報や注意報は気象庁などが発表し、避難勧告や避難指示は市町村が発表します。情報は5段階の警戒レベルに対応しています。特にレベル3の「避難準備が整い次第、避難開始、高齢者等は速やかに避難開始」の情報が発表されたら全員早めに避難をするよう心がけましょう。警戒レベルの表(気象庁『5段階の警戒レベルと防災気象情報』)を見て、情報の種類と取るべき行動を確認しておきましょう。
【避難所】
避難所はいつもガラガラで、いつも親切な職員が面倒を見てくれるとは限りません。大きな災害になると、沢山の人が避難してきて職員の対応が追い付かず、見知らぬ人との共同生活でストレスがたまり、トラブルが起きたり体調を崩す人も出てきます。また、その避難所が冠水して使えなくなっているかも知れません。防災対策は確かに大変ですが、自分の命は自分で守らなければなりません。是非ご自宅の家具を固定して安全な住まいをつくり、数日分の備蓄を用意して、いざという時も自宅で過ごせるようにしておきましょう。
ペットの飼い主は、ペットを連れて「同行避難」することが推奨されています。但し、ペットの受入ができない避難所もありますのであらかじめ確認しておく必要があります。「同行避難」の場合、ペットは人の居住エリアとは別の場所で過ごすことになります。ペットを連れて行く「同行避難」と、ペットと同じ空間で一緒に過ごす「同伴避難」は違います。動物アレルギーや匂い、鳴き声などの理由から「同伴避難」は推奨されておらず、「同伴避難」が可能な避難所が開設されることもありますが、数が非常に少なく収容人数に限りがあります。
ペットを連れて「同行避難」するために、ペット用の避難用品や備蓄を用意し、日頃からしつけをしておくことも重要です。
「避難」イコール「避難所に行く」ではありません。日頃からハザードマップなどでお住まいの地域を確認しておき、自宅が安全ならば自宅にとどまる「自宅避難」をしましょう。自宅が安全でなさそうな場合は、離れた地域に住む親戚や知人の家に、早めに移動して避難すると良いでしょう。そのためには、普段から「災害の時にはお互いの家に避難する」というような約束を親戚や知人としておく必要があります。
また、災害の時は、地域によっては避難所を開設しているかどうか、避難所が満員なのか、受け入れ可能なのかといった情報を提供しているところがありますので、確認して見ると良いでしょう。
【グッズ】
物がない中で工夫して生活する知恵を身に着けておくと災害時に役立ちます。新聞紙は体に巻いて暖を取ったり、箱型に折ってラップを重ねれば食器代わりにもなります。災害時に役立つものとしては他にラップが挙げられます。ケガをしたときには止血に使えますし、食事の時お皿に敷けば洗い物を減らせます。また、紐の代わりにもなります。他にもレジ袋、ごみ袋など応用の効くものがいろいろありますので、この機会に調べてみると良いでしょう。
階段を降りる場合は、車椅子に乗ったまま階段を移動できる階段昇降機や昇降車、階段に設置する簡易スロープなどがあります。お年寄りを一旦介護担架に移して移動する方法のほうが低コストで済みます。また、平地などを移動する場合はけん引式車いす補助装置を使用すると移動が容易になります。
【防災士】
①「防災士養成研修講座」を受講、②「防災士資格取得試験」に合格、③「救急救命講習」を受講、④「防災士認証登録申請」を行う、という流れになります。特例制度や助成制度もありますので、詳しくは日本防災士機構のホームページをご覧ください。
【コロナ対策】
従来の非常持ち出し品に次のものを加えておきましょう。
□ マスク | □ 体温計(避難所で毎日検温が必要) | □ 筆記用具(避難所で体調の記録表に記入。他の人の共用は避けたい) |
□ 消毒液(避難所では不足する) | □ アルコール除菌シート | □ ハンドソープ |
□ ビニール手袋 | □ タオル | □ スリッパ |
□ ティッシュペーパー |
避難所では避難者受け入れに当たって感染症対策を行いますが、以前に比べて収容人数が大幅に減っているので、利用できない場合があります。また、避難所には不特定多数の人が集まるため、感染症の広がりが避けられない場合もあり、クラスター感染を起こしかねません。なるべく避難所に行かなくて済むよう、在宅避難ができるように準備をしておきましょう。昨今は避難所不足のため、自宅が危ない場合は親戚や知人の家に早めに移動して避難することが特に推奨されています。
【災害】
決してそのようなことはありません。過去にも多くの災害にみまわれています。
・地震:1703(元禄 16)年の元禄地震は推定M7.9-8.5、現・南房総市で8-10m、九十九里浜や 御宿では5m以上の津波が発生し、多くの溺死者を出しています。1923(大正 12)年の関東大震災(M7.9)では、房総半島でも推定震度6-7に達したところが多数あり、住宅倒壊などにより死者は1300名を超えました。近年では、1987(昭和 62)年の千葉県東方沖地震で 2 名が死亡しています。 そして、2011(平成 23)年に発生した東日本大震災(M9.0)では、成田市や印西市で震度6弱を観測し、死傷者は 285 人に達しました。九十九里・外房・内房 に大津波警報が発表され、旭市で最大7.6mの津波が発生したと推定されています。また液状化による建物の倒壊やコンビナートにおける火災などの多くの被害が発生しました。
・風水害:1961(昭和 36)年、梅雨前線の活発化による全国的な大雨により加茂川が氾濫、死者6人、家屋全壊12戸の被害を出しています。更に1970(昭和 45)年にも梅雨前線の活発化により房総半島を中心に大雨となり、16人の死者を出し、家屋の全壊は203戸に及びました。また1971(昭和 46)年の台風25号による大雨では154 人の死傷者・行方不明者が発生しました。
・竜巻:1990年に房総半島を中心に発生した竜巻では茂原市で1名が死亡し、80棟を超える建物が全壊するなど大きな被害が発生しました。
・令和元年の気象災害:台風15号では、千葉市で最大瞬間風速57.5m/sを観測するなど記録的な暴風に見舞われ、広い範囲で停電が発生した結果、社会生活や産業への大きな影響が長期化しました。台風19号では、東日本から北日本にかけての各地で大雨となり、千葉県では12名の死者が発生しました。10月25日の低気圧による豪雨では、河川の氾濫や洪水、土砂災害などの被害が発生し、死者が11名に達しました。
このように、千葉県も多くの災害の被害を受けています。地球温暖化などの影響で気象災害が激甚化する傾向にあることに加え、大きな規模の地震の発生も予測されています。千葉県においても大きな災害はいつでも発生する可能性があることを念頭に置くべきでしょう。
台風が接近するまでに家族全員で安全な場所に避難しなければなりません。そのために逆算して必要な行動を考えてみると良いでしょう。行動の主な目安は次の通りです。
・3日前:台風情報の確認/ハザードマップで自宅の危険度と避難先を確認/防災グッズ、備蓄品の確認、家族の予定確認
・2日前:台風情報・河川水位情報などの確認/ガラス飛散対策/住まい周囲の安全確認/車の給油
・前日:台風情報・河川水位情報などの確認/停電、断水への備え(水をくんでおく、モバイルバッテリー等充電)/土嚢設置/要支援者の行動確認
・前日又は当日:台風情報・河川水位情報などの確認/避難準備・避難行動
□気象情報や台風状況は常に最新のものを確認しましょう。お年寄りなど支援を必要な人がいる場合は、昼間の早めの行動を心がけましょう。また、「マイ・タイムライン」という災害時の家族の行動計画を作っておくと、いざという時に慌てずに効率よく行動できます。
積乱雲が発生している、空が急に暗くなり大粒の雨が降ってくる等が落雷のサインです。雷鳴が聞こえるだけでも落雷の危険があり、雷鳴と光に時間差があっても安全とは限りません。すぐに建物の中に避難しましょう。屋外で木の下に逃げるのは安全ではありません。木の幹や枝葉から少なくとも2mは離れましょう。傘をさすのも危険です。身を隠す場所がない場合はしゃがむなど低い姿勢をとりましょう。金属のアクセサリーなどを外しても意味はありません。
竜巻は数時間持続する大きな積乱雲や台風の東側かつ中心から離れたところなどで発生します。竜巻が発生しやすい気象状況になると気象庁から「竜巻」を明記した雷注意報や「竜巻注意情報」が発表されます。更に、竜巻などが発生しやすい地域分布と1時間先までの予報として、「竜巻発生確度ナウキャスト」が提供されます。竜巻が発生したら鉄筋コンクリートの丈夫な建物の中に入り、窓から離れた場所に身を隠しましょう。屋外で写真や動画を撮影するのはやめましょう。
人が水を飲まずに生きられる限界が72時間と言われ、また、広域災害で公的支援が届くまで3日かかる場合があるからです。阪神淡路大震災で救出された人の約8割は公的機関の救助ではなく、発災直後の近隣住民による救出により助かっています。地域住民で助け合える「共助」のしくみを整え、日ごろから訓練を積んでおくことがいかに大切かわかります。また、公的支援が届くまで少なくとも3日間は自力で生活ができるよう、備蓄をしておくことも重要です。
【被災地支援】
まずは正確な情報を集めましょう。全国社会福祉協議会などのSNSやウェブサイトで、ボランティアの受け入れ体制が整っていることと、どのような支援が求められているか確認しましょう。被災地の自治体へ直接電話をすることは控えてください。
また、ボランティアは「自己完結」が鉄則です。被災地の方に迷惑をかけないよう、作業に必要な物資、食事、宿泊先、往復の交通手段は必ず自分で確保して下さい。ボランティア保険への加入も済ませておきましょう。
ボランティア活動は、災害直後だけでなく、その後も行われます。時間が経つにつれ、支援ニーズは変化します。被災地の災害ボランティアセンターのウェブサイトやSNSや、全国社会福祉協議会のウェブサイトで、各被災地の災害ボランティアの情報を調べてみましょう。
個人による被災地宛ての物的支援はお勧めしません。救援物資のニーズは刻々と変化し、仕分けがされていないと被災地に大きな負担をかけ、送った物資が活かされないことが多々あります。どうしても送りたいということであれば、被災地の支援を行っている信頼のおける団体に送ることはできます。但し、必要な物資の品名など最新の情報を確認しましょう。
【BCP】
BCP(事業継続計画、Business Continuity Plan)とは、企業が自然災害(地震、風水害など)、大火災、テロ攻撃、システム障害などの緊急事態に遭遇した場合においても、損害を最小限に抑え、中核となる事業の継続あるいは早期復旧ができるようにするために、平常時と緊急時における活動などをあらかじめマニュアル化しておくことで、即座に対応できるようにするための計画です。
緊急時には全ての業務を平常時と同じ水準で維持することは困難になりますが、その中でも倒産や事業縮小を避けるために、平常時からBCPを準備しておき、緊急時に事業の継続・早期復旧を図ることが重要となります。
BCPは自社で策定することも十分可能です。中小企業庁の「中小企業BCP策定運用指針」などを利用して作成が可能です。